ノートPCのキーボード交換を自分で行うのは難しいのか?

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ノートパソコンのキーボード交換・修理ガイド
「ノートPCのキーボードが反応しない」「キートップが外れてしまった」「水没させてしまった」など、キーボードに不具合が起きると操作がままならずとても不便です。
本記事では、ノートパソコンのキーボード交換・修理の難易度や注意点、具体的な手順や業者に依頼する際のポイントなどを詳しく解説します。
自分で修理をするか、修理業者に依頼するか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. ノートパソコンのキーボード故障の主な症状
ノートパソコンのキーボード故障には、以下のようなパターンが代表的です。
- キートップが外れてしまった
パンタグラフ(キーの下の機構部分)が壊れている・なくなっている - 特定のキーだけ反応しない
接触不良、内部基板の故障など - 複数のキーが効かない・全く反応しない
コネクタの断線、キーボード配列の回路損傷 - 水没や飲み物をこぼしてしまった
内部腐食によりキーボードだけでなくマザーボードにも影響が出る可能性あり - キーが変形している・押し心地がおかしい
パンタグラフの破損、キーボード自体の物理故障
これらの故障症状によって修理難易度が大きく変わるため、まずはどのようなトラブルが起きているかをしっかり把握しましょう。
2. キーボード交換の難易度を判断する3つのポイント
ノートパソコンのキーボード交換を自力で行うか迷うときは、以下3点をチェックすると難易度の目安がわかります。
1)故障箇所
- キートップのみの破損
比較的簡単。内部機構(パンタグラフなど)が無事なら、キートップパーツ交換のみで済む。 - キーボード内部の故障(物理的破損)
プラスチックパーツやゴム部分が壊れていると、分解修理のハードルが上がる。 - 水濡れ・水没
キーボードだけでなく、マザーボードなどにも腐食や損傷がある可能性。非常に厄介。
2)ノートPCの型番・機種
- メーカーや機種ごとに構造・部品・交換手順が大きく違う
裏蓋から交換できるタイプもあれば、全バラシ(本体を全面的に分解)しないとアクセスできないタイプもある。 - WindowsよりもMacの方が修理難易度が高い傾向
MacBookはキーボードが本体にリベット留めされているモデルが多い。
3)自分の知識・技術
- 電子機器分解の経験があるかないか
経験豊富なら可能な場合も。初心者の場合は失敗リスクが高まる。 - 資料の有無(分解手順や交換手順の動画・マニュアルなど)
ネットで情報がほとんどないモデルは難易度が格段に上がる。 - 機種が新しいほど取り外しが難しい場合がある
スリム化や軽量化に伴い内部構造が複雑化しているケースも。
3. 難易度が低い場合の対処法
キーボード交換の難易度が比較的低いと想定される場合、以下の方法で対処できる可能性があります。
キートップのみの破損・紛失
- 同じ型番のキートップを購入・交換する
キートップ裏のパンタグラフが無事かどうか要確認。
接続部分のツメを折らないように注意してください。
埃・ゴミが原因の不具合
- キーボードの清掃
エアダスターや柔らかい歯ブラシを使い、キーとキーの隙間の埃を取り除く。
液体を使うと内部腐食のリスクがあるため推奨しません。
ポイント:
キートップ交換や掃除で直りそうな軽微なトラブルなら比較的安全に作業しやすいですが、小さなパーツが折れやすいので十分気をつけましょう。
4. 難易度が高い場合の対処法
キーボード全体の交換が必要、内部部品の破損、水没トラブルなどは修理が難しい場合が多いです。
以下の方法を検討してください。
1)情報収集
- 同機種の分解手順をインターネットやYouTube動画で確認
ネジの位置やパーツの固定方法を事前に把握するために必要。
公式サービスマニュアルがあれば最優先でチェック。
2)工具の準備
- 精密ドライバーセット、ヘラ(スパッジャー)、ピンセット、静電気防止グッズなど
適切な工具がないとパーツを傷つけて故障を広げる原因になります。
3)専門業者への依頼
- 自信がない場合は、無理をせずパソコン修理業者へ
失敗すると余計なパーツ破損やデータ消失のリスクが高まります。
保証付きの場合もあるため、結果的に安心感が大きいです。
5. 具体的な例:DELL inspiron 14 7472のキーボード交換手順
ここでは、DELL inspiron 14 7472のキーボード交換事例を紹介します。
本体裏側からアクセスが必要なため、難易度は5段階中4ほど。パソコンをほぼ“全バラシ”する必要があります。
- 裏蓋のネジをすべて外す
裏蓋を外すと、バッテリー、HDD、ファン、マザーボード、メモリなど主要パーツが見えてきます。
- 主要パーツをすべて取り外す
交換するキーボードはパームレスト(キーボード面)の裏側に固定されているため、干渉する全パーツを外さなければいけません。
- キーボードの裏側の樹脂固定を解除
キーボード自体がリベットや樹脂で固定されている場合、慎重に外さないと割れてしまいます。
- 新品のキーボードを装着
元のリベット跡や樹脂をうまく再固定しながら取り付けます。
- すべてのパーツを元に戻し、動作確認します。
最後に電源を入れ、キーボードが正しく動くかチェックしてください。
このように全バラシが必要な機種は、作業手順が多くミスが起きやすいです。
初心者の方が行うのはハードルが高いと言えます。
6. 自分で修理するメリット・デメリット
メリット
- 費用を安く抑えられる可能性が高い
修理店に預けるコストや期間を短縮できる。 - 知識や技術が身につく
今後も同様のトラブルに対応できる。
デメリット
- 状態が悪化するリスクがある
小さなミスが大きな故障につながり、結果的に修理費用が高額になるケースも。 - パーツ調達や適切な工具が必要
規格外・希少なパーツの場合、入手自体が困難な場合もある。
7. 修理前に準備しておくべきこと
- データのバックアップ
分解時にHDD/SSDを万一破損してしまう可能性もあるため、必ず重要データは別の場所に保存。 - パソコンの型番、シリアル番号の確認
交換用パーツが正しく対応しているかをチェックするためにも必須。 - 保証期間の確認
メーカー保証や延長保証が効く場合は、DIY修理で保証が切れる恐れがある。 - 作業環境の確保
広いテーブルと部品やネジを置くトレー、静電気対策(アースバンドなど)を整えてください。
8. MacとWindowsの交換難易度の違い
- Windows PCの場合
機種によっては比較的分解が簡単なものもある。裏面からキーボードが外せる構造が多い。 - MacBookの場合
キーボードが本体とリベット留めされているモデルが多い。リベットを削ったり、新しいパーツを留め直したりと非常に手間がかかるため、交換難易度が高い。
パーツ単体の入手も難しく、Apple正規修理ではパームレストごと交換されるケースも少なくありません。
結論:Macは修理難易度が高く、不慣れな場合は早めに専門業者へ依頼するのがおすすめです。
9. よくある質問(FAQ)
Q1. キートップが外れただけなら、キーボード丸ごと交換しなくてもいい?
A. 内部のパンタグラフが壊れていなければ、キートップとパンタグラフをうまく組み込む事で再び使えるようにはなります。
ただし、外れた衝撃でパンタグラフの爪が破損してしまう事の方が多いです。
Q2. 自宅で水没させてしまったノートPCはどうすればいい?
A. そのまま乾燥させてはいけません。
水没をしてしまった時にこぼされる物として、コーヒー、ジュース、お茶などが多いですが、いずれも糖分、塩分が含まれております。
適切な処理をしないまま乾燥させてしまうと内部で錆(サビ)が発生するので注意。
時間が経つほど故障のリスクが高まるため、早めに修理専門店に相談しましょう。
Q3. 分解手順を調べても、対応機種が見つからない場合は?
A. あまり流通していないモデルや新しすぎるモデルは、情報が少ないことがあります。
その場合は、類似型番を参考にしたり、メーカー公式サイトやユーザーコミュニティーを調べてみてください。
どうしても情報がなければ業者に相談を。
Q4. キーボードを交換しても反応しない場合は?
A. マザーボード側やフレキケーブルの不良、接点の異常などが考えられます。
新しいキーボードが初期不良の場合もあり得るので、別のキーボードを試すか修理業者に依頼してください。
10. まとめ
ノートパソコンのキーボードは、使用頻度が高いがゆえに故障率も高いパーツです。
キートップだけの破損から、水没によるキーボード全体の交換まで、症状によって対処法はさまざま。
自分で修理するか、修理業者に依頼するか悩んだら、まずは故障箇所や機種の構造を調べてみましょう。
- 自分で修理できるケース(難易度が低い)
キートップ交換・掃除など比較的簡単な作業 - 修理難易度が高いケース
本体を全バラシする必要がある機種、水没・大きな破損など
適切な工具と知識が必要になり、初心者にはリスクが高い
交換パーツの入手性や分解手順を踏まえ、自力での修理が可能かどうかを見極めましょう。
特にMacの場合は難易度が高く、経験者でも苦戦することがあります。
もし少しでも不安を感じる場合やデータを絶対に守りたい場合は、専門の修理業者に依頼する方が安全かつ確実です。
作業工賃はかかりますが、失敗リスクやさらなる故障を防げます。
本記事が、ノートパソコンのキーボード交換・修理を検討している方の参考になれば幸いです。
ぜひ、自分のパソコンの型番や症状に合わせて、最適な方法を選んでください。
キーボード交換に関するご相談や修理依頼をご検討中なら…当社にご相談くださいませ。
安全・確実に作業を進めるためにも、この記事で紹介したポイントや注意点を踏まえて、慎重に検討してみてください。