富士通 FMVWF3A155:液晶画面に何も映らないトラブルもマザーボード修理で解決【修理事例】
ノートパソコンを使ううえで、画面が全く映らないというトラブルは非常に困惑するものです。
ディスプレイが真っ暗なままだと、データにアクセスできるかどうかも分からず、起動しているのかすら確信が持てない状況になることも。
今回ご紹介するのは、福岡県からご依頼いただいた「富士通 FMVWF3A155」の修理事例です。
お問い合わせ内容としては「電源を入れても液晶には何も映らず、外部モニターでの映像出力は問題ない。
修理を検討しており、見積もりにはどのような情報が必要か?」というもの。
このように外部モニターでは正常に映る一方、本体の液晶だけ真っ暗という症状の場合、マザーボード(主に映像出力回路)に問題が生じている可能性もあります。
一見、液晶パネル自体の不良かと思われがちですが、外部モニターが映るならGPU自体は生きていると考えられるため、マザーボードの修理で復旧するケースが多いのです。
本記事では、このような「内蔵画面だけ映らない」トラブルをどのように解決するのか、そのプロセスや費用の目安、注意点などを織り交ぜつつ解説します。
1. 依頼内容:電源投入後、液晶には何も映らず / HDMIで外部出力は正常
ご依頼主様の具体的な状況は以下のとおりです。
- メーカー:富士通
- 機種:FMVWF3A155
- 症状:電源を入れても内蔵液晶には何も映らない(真っ暗または表示が全くない)
- 外部モニター出力(HDMI)は問題なく映る
- 修理見積もりに必要な情報を知りたい
通常、内蔵液晶が真っ暗で外部モニター表示は正常というケースは、液晶パネルやケーブル、もしくはマザーボード上の液晶用回路に問題があると考えられます。
今回の診断では、パネルやケーブルを確認しても異常がなく、マザーボードの映像出力部分に故障があると判断されました。
2. ノートパソコン「画面映らない」原因と修理の要点
一般的に、ノートパソコンの画面が映らない理由としては以下のような可能性が挙げられます。
- 液晶パネルの故障:
物理的な割れやバックライト、接触不良など - 映像ケーブル(フレキシブルケーブル)の不良:
開閉による経年劣化や断線など - マザーボード/GPUの故障:
映像出力回路やコンデンサの不具合など - BIOS設定やドライバの問題:
極めてまれだが、セカンダリディスプレイのみ出力になっている場合など
しかし、外部モニターが正常に映ることからGPU自体(映像信号)は出ているということ。
この場合、内蔵ディスプレイ向けの出力回路(マザーボード側)、もしくはパネル側・ケーブルの断線が疑われるわけです。
今回のFMVWF3A155ではパネルとケーブルのテストを行って問題ないことが確認され、マザーボード修理が必要と判断されました。
3. 修理前の状態:内蔵画面は暗いまま、外部モニターのみ使用できる
下記が修理前の写真です。
実際には電源が入っているものの、ディスプレイは真っ暗(またはごくわずかに光が見えるかも知れませんが表示は皆無)。
外部モニターに接続するとWindowsの起動や操作はできるため、本体機能自体(CPU/メモリ/ストレージ)には大きな問題がなかったわけです。
4. マザーボード修理の流れ:FMVWF3A155の場合
ノートパソコンのマザーボードは、GPU/CPU/メモリソケットなど多数の電子部品が集約された要ですが、故障個所が特定できれば部品交換やリフローなどの修理で治せる場合があります。
以下は、修理店でのマザーボード修理おおまかな流れの一例です。
- 本体分解・故障個所の診断
PC底面のネジを外して分解し、マザーボードを取り出す。
テスターや顕微鏡を使い、不具合箇所(コンデンサ、コイル、回路)を特定。 - 対象パーツ交換またはハンダ作業
部品単位での交換が可能なら交換。 - 動作テスト・再組み立て
修理後、OS起動・内蔵液晶表示をチェック。問題なければ本体を元通り組み直す。 - 最終確認・納品
外部モニターや各種ポート、キーボードなどの機能も含め最終チェックを行い完了。
マザーボード修理はパネル交換と比べても難易度が高く、専門店での対応が不可欠です。
5. 修理後の状態:内蔵液晶でも表示が復活し、外部モニター不要に
下記が修理後のFMVWF3A155です。
以前は真っ暗だった画面に、Windowsのログイン画面がクリアに表示されています。
外部ディスプレイに頼らず、内蔵液晶のみで操作できるようになったため、モバイルや通常の使い方が再び可能に。
もちろん、データやアプリケーションはそのままの状態で修理が完了しました。
6. マザーボード修理費用・期間の目安
ノートパソコンのマザーボード修理費用は、故障箇所や交換部品の入手難易度、リフロー作業の有無などで大きく変動します。
一般的には、数万円程度を想定するケースが多いですが、正確な見積もりは現物診断が必要です。
修理期間も、部品調達や修理内容に応じて数日~数週間かかることがあります。
7. ノートPCの画面映らないトラブルを防ぐポイント
マザーボードの故障原因には、落下や衝撃、液体こぼし、経年劣化、熱暴走などさまざまあります。
以下の対策で、トラブル発生リスクを下げましょう。
- 衝撃を与えない:
落としたり物を挟んで閉じたりしないよう注意。 - 排熱を確保:
通気口をふさがない。ホコリが溜まったらエアダスターで清掃。 - 液体を近づけない:
水や飲み物をこぼすとショートの原因に。 - 定期的なバックアップ:
万が一の故障時にデータを守るため、外付けHDDやクラウドにバックアップを。
8. まとめ:FMVWF3A155の内蔵画面が真っ暗でもマザーボード修理で解決可能
今回の事例では、富士通 FMVWF3A155が、内蔵液晶に全く映らない状態で持ち込まれ、外部モニターでは正常表示が確認できたため、液晶パネルではなくマザーボード側に故障があると判断しました。
結果的にマザーボード修理を施すことで、内蔵画面でも問題なく表示されるようになり、外部モニターが不要な通常のノートPC運用を復活できた事例です。
「ノートPCの画面が真っ暗」「外部モニターでは映る」という症状は、故障原因を誤判断しがちですが、パネル交換ではなくマザーボード修理が必要なケースもあります。
修理費用や期間は故障内容により異なりますが、新しいPCへの買い替えより安価かつ、データをそのまま維持できるメリットが大きいです。
当店では、富士通をはじめ、多くのメーカー・機種のノートパソコン修理に対応しており、宅配修理も受付可能です。
内蔵画面が映らず困っている場合も、まずは修理店に相談してみてください。
早めに対処すれば、さらなる故障拡大を防ぎ、愛用のPCを引き続き快適に使い続けられるでしょう。