修理事例詳細

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MacBook Pro 14 (2021)の修理 バッテリー交換&JIS→US配列のキーボードへTOPCASE交換

【横浜市のお客様事例】MacBook Pro (14インチ, 2021) バッテリー交換&JIS→US配列へのカスタマイズ

Appleシリコン(M1 Pro / M1 Max)を搭載したMacBook Pro (14インチ, 2021) は、高性能かつ洗練されたデザインで人気を博しています。
しかし、どんなに優れたノートパソコンでも、使い続けるうちにバッテリーの寿命が低下してしまうのは避けられません。
また、キーボード配列もユーザーの好みによって使い勝手が大きく変わる要素のひとつです。
今回ご紹介する事例では、神奈川県横浜市にお住まいのお客様から「バッテリー交換」と「JIS配列からUS配列へのカスタマイズ」という2つのご依頼をいただきました。

MacBook Pro 14インチ(型番:MMQX3J/A)は故障こそしていないものの、バッテリー最大容量が82%に低下し、充電の持ちが悪くなっているとのことでした。
加えて、他のPCはUS配列キーボードを利用しているため、使い分けの違和感を解消するためにUS配列への換装を検討されているとのことです。

このようなバッテリー交換やキーボード配列変更を行う場合のポイントや注意点を、本記事で詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧いただき、快適なMacライフを取り戻すヒントにしてみてください。

 

お問い合わせ内容:バッテリー劣化とキーボード配列変更の希望

お問い合わせくださったお客様は、普段から複数のパソコンを使い分けており、メインマシンとしてMacBook Pro (14インチ, 2021) を使用されていました。
しかし、以下の2点において使い勝手に支障を感じ始めたとのことです。

1. バッテリーの最大容量が82%
フル充電しても使用時間が短くなり、外出先での作業や長時間の稼働が難しくなった。

2. キーボード配列の違い
別のPCではUS配列を使用しており、JIS配列のMacBook Proと切り替えて作業すると入力ミスが増えるなどのストレスを感じる。

そこで、バッテリー交換を行いつつ、トップケース(パームレスト部分)ごと交換することでJIS配列からUS配列へ変更できないか、とのご相談をいただきました。

 

修理方法:TOPCASE(US配列)とバッテリー交換

画像は裏蓋を開けた状態になりますが、ここにあるパーツを全てUS配列のTOPCASEへ移植していきます。

MacBook Pro 14インチ (2021) や16インチ (2021) シリーズでは、キーボードがトップケースの一部として組み込まれた構造になっています。
そのため、キーボード配列を変更する際は、通常キーボード単体の交換ではなく「トップケースごと交換」する方法が一般的です。

同時にバッテリー交換を行う場合も、バッテリーがトップケース付近に接着されているモデルでは、類似の手間が必要になります。
具体的には、以下の流れで作業を進めました。

1. 一連の動作確認
念のため、現時点で正常動作しているのかチェック。
修理作業自体でデータが消えるわけではありませんが、万が一に備えてバックアップを取っておくことが大切です。

2. 分解と旧バッテリーの取り外し
底面カバーを外し、接続ケーブルやネジを順番に外してバッテリーおよびトップケースにアクセス。

3. トップケースごとUS配列部品に交換
新しいUS配列のトップケースを用意し、旧トップケースと入れ替える形で取り付けます。

4. 新しいバッテリーの装着
トップケースに付属または別途用意したバッテリーを正しい位置に接着・固定し、ケーブルを接続。

5. 組み立てと動作確認
元通りに組み立てて電源を入れ、キーボード配列(US配列)の認識状況やバッテリー残量、充電挙動などをチェック。
キーボードの言語が変わるとキートップの刻印が変わるだけでなく、配列も若干異なります。

この一連の作業を終えて、バッテリー最大容量が復活し、キーボードをUS配列でストレスなく使用できる状態になりました。

 

【バッテリー交換前】
最大容量が82%です。

【バッテリー交換後】
バッテリー交換後は1–%になっている事を確認。

 

バッテリー交換のメリットと注意点

バッテリー交換は、単に駆動時間が延びるだけでなく、以下のようなメリットがあります。

パフォーマンスの安定: バッテリー劣化が進むと、システムがパフォーマンスを抑制する場合があります。
発熱や膨張のリスク低減: 劣化したバッテリーは膨張する恐れがあり、キーボードやトラックパッドにまで影響を及ぼす可能性があります。
製品寿命の延長: 定期的なバッテリー交換で、MacBook Proを長期間快適に使い続けられます。

ただし、バッテリー交換には以下のような注意点もあります。

互換品の品質: サードパーティ製の安価なバッテリーを選ぶと、動作不良や安全性に問題が出る場合があります。
専門的な工具と知識: MacBookの分解は精密で難易度が高いため、誤った手順や工具不足で他のパーツを破損するリスクがあります。
メーカー保証の適用範囲: 公式保証期間内であればApple公式や正規サービスプロバイダに依頼したほうが安心なケースも。

 

キーボード配列変更(JIS→US)のメリット

続いて、キーボード配列をJISからUSに変更するメリットをご紹介します。

1. キーの配置に統一感を持たせる
複数のパソコンを使う場合に配列が異なると、入力切り替えや記号入力に戸惑うことが増えます。
全てUS配列に揃えることで、入力ミスやストレスが大きく軽減されます。

2. 英字入力がしやすい
英語ベースの文字入力やプログラミングに慣れているユーザーにとっては、US配列のほうが記号の配置が使いやすい場合があります。

3. macOSのショートカット入力
macOSでよく使われるショートカットキー(⌘ + Shift + 〇〇など)を多用する場合、US配列のほうが記号の位置を覚えやすいという声もあります。

一方、JIS配列に慣れたユーザーには「かな入力切り替えがしやすい」「Enterキーが大きい」といった利点があるため、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。

 

費用・作業期間の目安

バッテリー交換とトップケース(US配列)交換には、部品の在庫やモデルによって費用と作業期間が異なります。
以下はあくまで目安です。

バッテリー交換: 2万円~3万円程度(交換部品代+作業費用)
トップケース交換(US配列): 2万~4万円程度(部品調達費用+作業費用)
作業期間: 在庫がある場合は数日~1週間ほど、部品取り寄せの場合はプラス数日~1週間程度

2021年モデルのMacBook Pro 14インチは発売から時間があまり経過していないため、部品の入手性がやや限定的である可能性もあります。
交換を検討する際は、あらかじめ見積もりや在庫状況をしっかり確認することが大切です。

 

まとめ:バッテリー交換&US配列変更で快適なMacライフを

今回ご紹介したMacBook Pro (14インチ, 2021) の事例のように、バッテリー劣化とキーボード配列の不便さを同時に解決したい場合、トップケース交換とバッテリー交換を組み合わせた方法が効果的です。
最大容量82%から新品同様のバッテリーに生まれ変わり、キーボードの配列も一新することで、操作性が飛躍的に向上するでしょう。

なお、修理作業には高度な分解技術と専用の工具が必要となるため、自力での交換にはリスクが伴います。
安全かつ確実に作業を行うためにも、Apple正規サービスプロバイダや信頼できる修理業者に依頼することをおすすめします。

日常的に持ち歩くことが多いノートパソコンだからこそ、バッテリー駆動時間の確保と使いやすいキーボード配列は非常に重要です。
ストレスなく長く使い続けるためにも、劣化したバッテリーや合わないキーボード配列で悩んでいる方は、早めに交換やカスタマイズを検討してみてください。